マスク生活で口臭が悪化したと感じる場合、その最大の原因は「ドライマウス(口腔乾燥症)」である可能性が非常に高いです。マスクをしていると、息苦しさから無意識に口呼吸になりがちです。口で呼吸をすると、口の中の水分である唾液がどんどん蒸発してしまい、口内が乾燥した状態になります。唾液は、単なる水分ではなく、私たちの口の健康を守るための多くの重要な機能を持っています。その一つが、細菌の増殖を抑える「抗菌作用」と、食べ物のカスや細菌を洗い流す「自浄作用」です。唾液が減って口の中が乾燥すると、これらの機能が低下し、口臭の原因となる嫌気性菌が爆発的に繁殖してしまいます。これらの細菌が、口の中に残ったタンパク質を分解し、卵が腐ったような臭いの「硫化水素」や、生ゴミのような臭いの「メチルメルカプタン」といった揮発性硫黄化合物(VSC)を大量に発生させるのです。このドライマウスによる口臭を防ぐためには、意識的に対策を行うことが不可欠です。まず、最も基本的な対策は「鼻呼吸を意識する」ことです。マスクをしていても、できるだけ口を閉じ、鼻でゆっくりと呼吸する習慣をつけましょう。次に、「こまめな水分補給」です。喉が渇いたと感じる前に、少しずつ水やお茶を飲むようにしてください。カフェインやアルコールは利尿作用があり、かえって体の水分を奪うことがあるので、水や麦茶などがおすすめです。そして、唾液の分泌を促すセルフケアも有効です。食事の際には、「よく噛む」ことを意識しましょう。噛むという行為が、唾液腺を刺激し、唾液の分泌を促進します。ガムを噛むのも良い方法で、特にキシリトール配合のものがおすすめです。また、唾液腺を直接マッサージするのも効果的です。耳の下(耳下腺)、顎の骨の内側の柔らかい部分(顎下腺)、顎の先端の真下(舌下腺)を、指の腹で優しく押したり、円を描くようにマッサージしたりすると、じわっと唾液が出てくるのが感じられるでしょう。
マスク口臭の最大の原因、ドライマウスを防ぐ方法