歯の隙間に黒いものを見つけて歯科医院を受診した場合、その原因に応じて、様々な専門的な治療が行われます。自己流のケアでは取り除けない問題を、歯科医師がどのように解決してくれるのか、その治療法を原因別に解説します。まず、黒いものの正体が「虫歯」であった場合。治療法は、虫歯の進行度によって異なります。ごく初期の、エナメル質に限局した虫歯であれば、フッ素塗布などで歯の再石灰化を促し、経過観察となることもあります。しかし、黒く見える段階では、ある程度進行していることがほとんどです。その場合は、虫歯の部分を専用の器具で削り取り、削った穴を詰め物で補う治療が行われます。歯と歯の間の虫歯は、治療範囲が複雑になることが多く、一般的には、歯の噛み合わせの面から穴を開けて、内部の虫歯を取り除きます。削った後は、コンポジットレジンという白い樹脂を詰めるか、範囲が大きい場合は、型取りをしてインレー(部分的な詰め物)を作製して装着します。もし、虫歯が神経まで達している場合は、神経を取り除く「根管治療」が必要となり、治療回数も期間も長くなります。次に、原因が「着色(ステイン)」だった場合。これは病気ではないため、治療の必要はありませんが、見た目が気になる場合は、歯科医院での「クリーニング(PMTC)」によって、きれいに取り除くことができます。専用の機器と研磨剤を使って、歯の表面に付着したステインを、痛みなく除去してくれます。タバコのヤニなどの頑固な着色も、このクリーニングですっきりと落とすことが可能です。原因が「歯石」であった場合も、同様にクリーニングで除去します。特に、歯茎の中に隠れている黒い歯石(縁下歯石)は、歯周病の大きな原因となるため、スケーラーという専用の器具を使って、徹底的に取り除く必要があります。これは、歯科医師や歯科衛生士にしかできない専門的な処置です。これらの治療は、あなたの歯の健康を守り、美しい見た目を取り戻すために不可欠です。歯の隙間の黒いものに気づいたら、放置せずに、まずは歯科医院で原因を特定してもらうことが、何よりも大切なのです。
歯科医院での治療法。歯の隙間の黒いものを取り除くには