大きくて治りにくい、厄介な口内炎。その発生には、ストレスや疲労、物理的な刺激など、様々な要因が関わっていますが、見過ごせないのが「栄養不足」です。特に、特定の栄養素が不足すると、口の中の粘膜が弱くなり、炎症が起きやすく、そして治りにくくなります。でかい口内炎の引き金となりやすい、代表的な栄養素とその働きについて理解し、日々の食生活を見直してみましょう。まず、最も口内炎と関わりが深いとされるのが、「ビタミンB群」です。ビタミンB群は、エネルギー代謝を助け、皮膚や粘膜の健康を維持するために不可欠な栄養素であり、「粘膜のビタミン」とも呼ばれています。特に重要なのが、「ビタミンB2」と「ビタミンB6」です。ビタミンB2は、細胞の再生を促し、粘膜を保護する働きがあります。これが不足すると、口角炎や舌炎、そして口内炎ができやすくなります。レバーやうなぎ、卵、納豆、乳製品に多く含まれています。ビタミンB6は、タンパク質の代謝を助け、健康な皮膚や粘膜を作るのに必要です。また、免疫機能の維持にも関わっています。マグロやカツオといった魚類、鶏肉、バナナなどに豊富です。次に、重要なのが「鉄分」です。特に女性は、月経によって鉄分が不足しがちです。鉄分が不足すると、貧血になり、細胞に十分な酸素が供給されなくなります。これにより、粘膜の新陳代謝が低下し、傷が治りにくくなります。また、舌の表面がツルツルになる「舌炎」を引き起こすこともあります。レバーや赤身の肉、ほうれん草、ひじきなどから摂取できます。そして、「亜鉛」も忘れてはならないミネラルです。亜鉛は、細胞の新陳代謝やタンパク質の合成に不可欠であり、傷の治癒を促進する働きがあります。また、味覚を正常に保つ役割も担っています。牡蠣や牛肉、ナッツ類に多く含まれていますが、加工食品の多い食生活では不足しがちです。これらの栄養素は、互いに協力し合って働きます。どれか一つだけを大量に摂るのではなく、バランス良く摂取することが大切です。でかい口内炎ができた時は、体が栄養不足のサインを発しているのかもしれません。刺激の少ない食事を心がけつつ、これらの栄養素を豊富に含む食材を、意識して食事に取り入れてみてください。
でかい口内炎の原因になる栄養不足とは?