鏡を見て、歯茎に今までなかったできものを見つけてしまった。しかも、いつもの口内炎とは少し様子が違う気がする。そんな時、頭をよぎるのは「もしかして癌なのでは」という恐ろしい可能性です。インターネットで症状を検索すればするほど、歯肉癌の特徴に当てはまるような気がして、不安は雪だるま式に膨らんでいきます。このような状況に陥った時、私たちはどのように行動すべきなのでしょうか。まず、パニックに陥らないことが大切です。不安な気持ちは痛いほど分かりますが、いたずらに情報を集めすぎても、精神的に追い詰められてしまうだけです。ネット上の情報は玉石混交であり、自己判断で診断を下すことはできません。あなたが今すべきことは、不確かな情報に一喜一憂することではなく、確実な一歩を踏み出すことです。その一歩とは、専門の医療機関を受診することに他なりません。では、何科に行けばよいのでしょうか。口の中のトラブルは、まず歯科、あるいはより専門的な口腔外科が窓口となります。かかりつけの歯科医院があれば、まずはそこに相談するのが良いでしょう。もしなければ、口腔外科を標榜している病院を探して予約を取ってください。受診する際は、いつから症状があるのか、どのような変化があったのか、痛みはあるのかといった情報を、できるだけ正確に医師に伝えることが重要です。そして、医師の診察と診断を待ちましょう。たとえそれが悪い結果であったとしても、早く知ることで、それだけ早く治療という次のステップに進むことができます。逆に、診察の結果、ただの治りにくい口内炎だったと分かれば、心の底から安心できるはずです。一人で悩み続ける時間は、百害あって一利なしです。勇気を出して専門家の扉を叩くこと。それが、不安を解消し、自分の体を守るための最善の行動なのです。