「子供の歯にも歯石が付くの?」「もし付いていたら、取る時に痛くないの?」お子さんを持つ保護者の方なら、そんな疑問や不安を感じることもあるでしょう。結論から言うと、子供の歯にも歯石は付きますし、それを除去する必要もあります。しかし、大人の歯石取りとは少し異なる点や、痛みに対する特別な配慮があることを知っておくと、安心して子供を歯科医院に連れて行くことができます。まず、子供の歯石についてです。子供の唾液は、大人に比べてサラサラしていることが多く、一般的に大人ほど歯石は付きやすくありません。しかし、歯磨きが上手にできていない子や、歯並びが悪くて磨き残しが多い子の場合は、もちろん歯石が付きます。特に、唾液腺の出口に近い、下の前歯の裏側は、子供でも歯石ができやすい要注意ポイントです。子供の歯石は、大人のものに比べて比較的柔らかく、白っぽい色をしていることが多いのが特徴です。では、子供の歯石取りは痛いのでしょうか。答えは、ほとんどの場合「痛くありません」。子供の歯石は、まだ付着してからの期間が短く、歯茎の上の浅い部分にあることがほとんどです。また、子供の歯茎は新陳代謝が活発で、健康な状態であることが多いため、大人のように炎症で痛みを感じることは稀です。そのため、超音波スケーラーではなく、手用の器具(ハンドスケーラー)で、優しくカリカリと擦るだけで、比較的簡単にポロポロと取れていきます。歯科医院では、子供に「歯のお掃除だよ」「歯に付いたバイキンの石を取るね」といった分かりやすい言葉で説明し、決して「痛い」「怖い」というイメージを与えないように配慮します。何よりも大切なのは、子供に「歯医者さんは怖くない」という意識を持ってもらうことです。そのため、無理やり押さえつけて処置をしたり、子供が嫌がっているのに無理強いしたりすることは、まずありません。最初は器具に慣れる練習から始め、少しずつ段階を踏んで進めていきます。もし、初めての歯石取りで子供が恐怖心を持ってしまうと、その後の歯科治療全体に悪影響を及ぼしかねないからです。保護者の方が「痛くないかな」と不安な顔をしていると、その気持ちは子供に伝わってしまいます。まずは大人がリラックスし、「歯がツルツルになって気持ちいいね」と、ポジティブな声かけをしてあげることが、痛みのない、そして楽しい歯石取り体験につながるのです。